見つけたと思ったその気持ちは、ニーズは、ほんものですか……?
共感的コミュニケーションの要は、ニーズ(大事にしていること)につながること。
ニーズにつながれば、つながりや行動のリクエスト(お願い、実行)ができ、さまざまな変容・変革へと向かうことができます。
ところが、ニーズにつながるために重要な感情(きもち)がウソだったら……?
オーセンティックであるということ
感情は人のなかのとても繊細で柔らかい部分。もちろん個人差はありますが、ストレス満載の現代社会で生き延びるには、感情があらわにならないよう、守ろうとして脳(わたし)はさまざまな工夫をしています。
そのため、自分の感情と向き合うことは、実は至難の業。
「今はこんな気持ちかな」と思っても、それが本当の感情とは限らないことが多々あります。
そこで、そのとき感じている体の感覚をヒントに感情につながるという方法があります。
ところが、その感覚ですら、時に「嘘をつく」のです。
「感覚は当てにできない」と喝破しているのがアレクサンダー・テクニークです。
アレクサンダー・テクニークを使って、心身(本当の意味での自分)とのつきあいかたを知り、「わからない」ことを受け入れられるうつわをつくっていきます。
自分が自分に対してつくウソがいちばん巧妙。
そして……実は、ウソもほんとうもなく、問題のない人はいないということを受け入れていくだけかもしれません。
それを見抜きたい、本物さと向き合いたいと願う方と取り組む試みです。
自分と外の世界が繋がることを、心身を使う体験を通して学ぶアレクサンダーテクニーク。
自分自身の感情とニーズ(したいこと)に気づいていくNVC(非暴力コミュニケーション Nonviolent communication)。
この2つの親和性について、長年NVCファシリテーターをしている親友の野々宮卯妙さんと、2年に渡ってああだこうだと実験してきました。
やっとみなさまとシェアしてもいいと思えたので開催を決めました。
私たちが学んでいることを、皆さんとシェアできる時間を楽しみにしています。
――海津 賢(アレクサンダー・テクニーク教師)
身心一如、一日にしてならず……
このワークショップはコースやシリーズではありませんが、できるだけ継続参加をお願いしています。回数を重ねるうちに心身に変化が“沁みていく”からです。
自分でその変化に気づくのは難しいのですが、チームメイトとのワークを通じて、見えてくるものがあります。そのため、できるだけ同じメンバーでワークを進めていきたいと考えており、毎回メンバーの都合を聞いて次回のワーク日を決めています。
心身での気づきが起こってきたら、共感的コミュニケーションのワークを取り入れ、自分自身に今この瞬間に起こっていることへの気づき、そしてそこから真に大切にしていること(ニーズ)への気づきや、自己統合に自分の力でたどり着くという体験に向かいます。
ふだん「わかる」ことを目指しているとしたら、ここではそれを体験したくてもできない、という状況に置かれます。ここでのワークは「ネガティブ・ケイパビリティ(「わからない」ということ・中途半端さに耐える力)」を養うものとも言えると私(野々宮)は考えています。
ネガティブ・ケイパビリティは「決めつけない」ということでもあります。「共感」にとても大切な資質ともいえるでしょう。このワークショップでは、これを身体から体験することができます。
アレクサンダー・テクニークのセッションを受けたい・共感的コミュニケーションを学びたいという方は、他の専門のワークショップをおすすめします。
共感的コミュニケーション(NVC)未体験の方は、「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」(ローゼンバーグ著、安納献監訳、日本経済新聞社刊)や「共感的コミュニケーション2017」(水城ゆう著、Kindle版)に目を通していただいたり、マーシャル・ローゼンバーグ博士のNVC解説ビデオなどを視聴のうえ、できればNVCを体験・実践してみてからご参加いただくと、当ワークショップの目的をご理解いただきやすいのではないかと思います。
アレクサンダー・テクニークは未体験でも大丈夫です。
参加された方の感想
昨日のワーク中に“喜びが溢れる感じが”とか言ってましたが、「あ、(解釈して)起こっていることにネーミングしようとしている…」と思ってやめてみました。(そのこと自体)もう過去のことではあるのですが、また更に違う感覚に。わーって溢れて広がってくような感じ? そこまで、赦していいんだ…って感覚になってきています! 不思議…
まさしく「ネガティヴ・ケイパビリティ」を体験中。チンプンカンプンを、頑張って耐えております!
前回は節目の回だったなと思い返しています! 自分からつかみ取るわけでもなく、誰かから手渡されるわけでもない。そこにある体験とただ相見えること、その中に宿っている大切な何かがあって、その何かに触れた気がします!(この感じを言葉にするのが難しい)
イヤー!凄かった……仲間のみなさん、いてくれてありがとう!
チェックインしてから、ライダウン、NVCのワークへ(※今回はNVCダンスフロアの「内なる教育者と選択者」を採用)。今回は、自分の中から起こってくるものを扱いました。
長い間頑張り続けてきたジャッカルの嘆きや求める共感。一方必死に学び続けてきた教育者への共感。どっちも凄いエネルギーで頑張ってきた。どっちも愛おしいこと。この両者の統合が起きました!
最後、その人生を通じたプロセスを眺め、肯定的な承認と言うか、全てこれで良かったんだ…的な感じに。さっきまで、体が丸まって伸びなかったのに、楽~。
抱えていた対立をネタにしてNVCのワークをやり、統合に至ったのですが、新鮮な共感体験がありました。それは、ニーズにつながった感覚に加えて、自分の中で立ち上がったもの(考え、感情、自分を刺激した出来事、など)が全て同じだけくっきりしていて、全てを同じだけ尊重している感覚があったことです。そして、自分の中で立ち上がったもの達の間に働く張力によって、それらをどれも置き去りにしないリクエストがふわっと浮かび上がってきた、そんな感じでした。
ケンさんマリさんワークを通して、知らず知らずのうちに自分にとってすごく意味のある大きい何かが成長している、そんな心地です! 感謝!!!!!
開催情報
日時:2019年6月5日(水) 15:00〜18:00
※ 5月22日(水)15:00〜18:00 にも同時刻・同所にて開催することになりました。こちらにご参加希望の方も下記お申し込みフォームからお知らせください。
料金:3900
場所:JR国立駅 徒歩5分(詳細は申し込み後にお送りします)
お申し込みはこちらから。
https://goo.gl/forms/eYiUyVUuNj6VLBQg2
チームメイト募集
当ワークショップは現在「キャンセル待ち」となっています。
同じメンバーで継続することで学びが深まること、現メンバー6名で安定して予定が組め継続学習できていることから、新たに参加する方は新たなチームを組むことが望ましいと考えているためです。
すでに4名ほどの新規参加希望者がいらっしゃいますので、ふるって「キャンセル待ち」にご応募ください。集まったメンバーで、都合の良いスケジュールを組んで学習を進めていきたいと思います。
ご応募お待ちしています!
講師プロフィール
海津賢(かいづ・けん)
作曲家・編曲家・鍵盤奏者・音楽家
英国アレクサンダーテクニーク指導者協会 (STAT) 会員・認定教師
音楽ワークショップ・ファシリテーター
e-mail : ken@thesounder.net
幼少のころチャップリンの映画音楽、フランスのサルヴァトール・アダモ、ショパンの「華麗なる大円舞曲」に感銘を受けてピアノをはじめる。中学校からトロンボーンと吹奏楽とシンセサイザーに、大人になってから13弦箏に触れる。
ピアノと音楽理論を板橋文夫氏、越智健二氏、井上博氏、大石学氏に師事。CM、TV番組、映画、アニメーション、J-Pop、舞台音楽、企業用プロモーションビデオ、展示会用音楽などの作曲、編曲、即興演奏を手がける。
突発性難聴をきかっけに、からだの使い方と考え方を変える方法を探す。2010年よりアレクサンダーテクニークの手ほどきを棚橋和子氏に受ける。1年間Body Chanceの教師養成コースに在籍。のちにSTAT(英国アレクサンダーテクニーク指導者協会)認定校の ”アレクサンダーテクニークスタジオ東京” 教師養成講座の1期生となる。同校で細井史江氏、棚橋和子氏、大塚由美氏に師事し、卒業。
音楽ワークショップとファシリテーションを、マイク・スペンサー(元ロンドン交響楽団ヴァイオリン奏者/元英国ロイヤル・オペラハウス エデュケーション部長)、ポルトガルのCasa da Músicaより学び、東京文化会館にて親子向け音楽ワークショップを共同で開催。また、プログラミング言語ビスケットの開発者・原田博士と、作曲とプログラミングのワークショップを共同で開催。
近年では、ニューヨーク在住のErik Shirai監督のドキュメンタリー映画”The Birth of Saké“の音楽を作曲。同映画は米国トライベッカ・フィルム・フェスティバルの”審査員特別新人監督賞”をはじめ海外で10の賞を受賞。2つの賞でノミネートされる。
また、米国Facebook社のコマーシャル(part1 / part2 / part3)などを作曲。
野々宮卯妙(ののみや・うたえ)
現代朗読家、音読療法士(ボイスセラピスト)。
朗読の即興的表現で、カルメン・マキ(vo)、鈴木重子(vo)、酒井俊(vo)、金子飛鳥(vn)、板倉克行(p)、森順治(sax)、梅津和時(sax)、中村和枝(p)、村田厚生(tp)、政岡由衣子(dance)らフリージャズや現代音楽のアーティストらと共演。近年は水城ゆう(p)と「槐多朗読」(早逝の画家村山槐多をテーマとした即興作品)、「沈黙の朗読×音楽瞑想」コンサートシリーズに注力。代表作に「特殊相対性の女」(2010年愛知県芸術劇場小ホール-共演:石村みか)、「初恋」(2013年キッド・アイラック・アート・ホール)、「白い月、あるいは鳥の歌」(2013年キッド・アイラック、共演:カルメン・マキ)、「エロイヒムの声」(2014年サラヴァ東京、共演:酒井俊・他)他、いずれも水城ゆう(作・演出・ピアノ)と。音読療法士として被災地や老人ホーム、母親対象のサークルでケア活動を実施するほか、共感的コミュニケーション(NVC)プラクティショナー西東万里(さいとう・まり)として全国各地で学習サークルのサポートやセッションを行う。NPO法人現代朗読協会、音読療法協会所属。日本平和学会員、韓氏意拳学会員。