安納献・栗山のぞみ・西東万里で開催してきた「基礎づくり」コースも、7月末でついに第10期となりました。
オンライン2回+ライブ1日、またはライブ2日間、またはオンライン6回の3パターンで、計12時間超をともに過ごしながら、共感的コミュニケーション(NVC)の基礎……というより、土台、基盤を作ることを目的としたこのコース。献さんはこのように表現しています。
もっと身につくような形でNVCを伝えたいとここ数年ずっと思っていました。去年の暮れにやっと納得がいく方法を思いつき、今年(2017年)の初めから基礎編を始めました。
その方法とは、創始者のマーシャル(ローゼンバーグ)の資料を学ぶ中で見つけたNVCの様々な要素や手順の根底にある理由を伝えること。
NVCの目的に照らし合わせて考えたときに全ての要素がつながっていることが腑に落ちます。つながりがわかると文法も身につきやすくなると思っています。
(安納献)
こうした主旨でコースを設計できるのは、世界中のトレーナーたちからもそのマーシャル愛と膨大な研究量が驚嘆をもって認められている、献さんだけではないかと私(西東)は密かに思っています……。
徹底したマーシャル研究のみならず、脳科学や精神医学、生物学などの最新の知見もおりまぜてくるので、驚きとワクワクの知的冒険の時間でもあります。ガッテン!を何度も押したくなることでしょう(笑)。
100人を超えるコース参加者
さて、10期まで含めると「基礎づくり」コース参加者はなんと、ゆうに100人を超えました。
NVC初めてという方から、数年にわたりさまざまな講座に出てきた方、人にも伝えているという方まで、NVCについての知識や経験もさまざまな方が、ともに学んでいます。
NVCは知識量でも学習量でもなく、日常の実践が大事。学ぶだけでいつまでも実践に足を踏み出せない人もいます(自分を守りたかったり、NVCが大事すぎて動けなかったり……)が、仲間がいると踏み出しやすくなったりします。そのためにも、「基礎づくり」100人の声を、折りに触れお伝えしていきたいと思います。
さっそく、参加してくださった方たちが送ってくださった長文感想を、ここでご紹介させていただきましょう。
今回の講座ではとても丁寧にNVCがどういうものであるのかを知ることができました。
説明や引用されるエピソードやマーシャルの言葉もわかりやすくて、自分の心の奥に響いてきて、今も私の大事なところにしまわれています。献さんの「人が人であることを大事にする」という言葉に初めからなんだか泣きたくて胸いっぱいでした。献さんを始め、ホストのまりさん、のぞみさんが親切で誠実に進めて、フォローしてくださってもうそれだけであたたかな気持ちでいっぱいになりました。
そこに正直な仲間がいて、みんなが本物でこれが私が心から求めているつながりだったのかと、NVCはマニュアルでもノウハウでもなく、実生活を生きるものということが体感できました。
今までまりさんにお母さん向けに講座をやってもらったときは知り合いで気心もしれていて、おしゃべりしている感覚だったのかもしれません。初めて会う人の中で緊張しながらも、丁寧にいつでも感想や質問が許される、開かれた雰囲気の中で私自身がとても大事にされている感覚がありました。尊重されるニーズが満たされたということですね。
今までの私の暴力的な人生、普段の眼鏡でみえること、NVCをしていたつもりがいつもの自分でしゃべってうまくいかなかったこと、マイナスなところも私の何らかのニーズと結びついていたといってもらえたこと、ああ、こうやって自分を自己受容していけるのだとわかったことは大きいです。
そして苦手なあの人も、身を削ったように死んだ母にも大事にしているニーズがあったんだって知ったこと、講座が終わってから少しずつ理解が進んでいます。自分の気持ちとニーズに本当に目を向けて理解できれば人に怒ることもなく、ただニーズを満たすために行動していけるって実感しています。
連休明けは私の脳が変容したみたいに、学校のお母さんたち、夫、子どもにリクエストできています。
今までは、ちょっと無理したり、我慢して、同じように我慢しない人を恨んだりしましたが、思い切っていってみればお願は聞いてくれたり、かえって気にかけてくれたりするのだと驚くとともに本当に人は優しいのだとわかってきました。そして具体的には書けませんが、今まで口に出してこなかったけれど求めていたニーズを認めることができました。モノローグですが一人でお祝いです。7年前の私に会えたのでどんな手段で満たせるか考えるとワクワクします。活き活きさのニーズですね。
ペアやトランプのワークもたっぷり時間をとってもらい、気持ちやニーズを探っていただいたのも癒される時間でした。
みなさん、慣れているのでしょうか、温かくて、居心地よくて、幸せな時間でした。質問や雑談の時間も学びの時間でした。学びって献さんが言うように講義をきく、質問して答えをきく、ワークをする、体験する・・すべてがよいものでした。さらにその上に自分の力を侮らないで創造できる学びがあるのだと、有機的な学びという言葉が印象に残っています。
実感はまだ伴わないですがこの講座を受けた後の私の変化を振り返ると、いつもと違う。学んだことを忘れないように思い出して、やってみようと思ってやってみるというような身構えた感じはないのに私のとった行動はいつもと違ってよいように進んでいる感じがします。いいことが起こっています。有機的な講座が魔法だったみたいに(浮ついた感じではなく)脳なのか?どこか体に入ったように感じています。
とてもありがたいです。出会う人が心とニーズを持った人に見えてきています。当たり前なことですが今までの私には残念ながらそうは見えなかったんですね。電車で乗り合わせる、そこかしこの人も何か感じてニーズをもって生きているんだなとぼーっと見ています。nvcがどういうものでとても大事なものだと心から認識できるまで、私の場合、初めて知った時から2年3か月が必要でした。マーシャルさんの本を紹介してくださった献さんに出会えたこと、広めようとみなさまが地道に活動してくださっている流れの中に引き入れてもらって学べたことにただただ、感謝します。
これからのチャレンジが今の私のニーズです。たくさんのしたくない体験もあるかもしれないと想像すると怖くもありますがこの講座の後の学びと仲間とのつながりの場がある安心のニーズを大事に本当の人間として生きられたら嬉しいです……。
長くなりました。感想を書く機会をどうもありがとうございました。
(M.Sさん)
3日間、本当にありがとうございました。
贅沢な時間だったなぁと、今、しみじみ噛みしめています。NVCの現場をたくさん見て、経験されてきたからこその、奥深い背景を、細胞にゆっくりと染み込ませるように、私たちの中で何かが発酵するのを待つように、じっくりと伝えてくださったこと。
人とのつながりという抽象的なことを、脳神経をはじめとする論理的な説明を交えて説明していただけたこと。
時間も、手間も、愛情も、たっぷりとかけてもらった、おいしいお料理を、みんなでいただけたこと。
そのすべてが、あたたかく配慮に満ちていて、マーシャルさんが動画の冒頭で歌っていた、「自然な分かち合い」の歌の世界のようで、しあわせな時間でした。
講座の中で特に印象的だったのは、自分や相手の感情を、ていねいに見ていくワークです。
今までは自分の感情に対して、これは怒りかな?悲しみかな?というような単純なラベルを貼って、しばらく怒ったり、悲しんだりして解消して、学んだつもりになって、できるだけ早く抜け出す、というような、雑な接し方をしていたなぁと、つくづく思います。
感情を、まるでわずらわしいものであるかのように。
非効率だから時間のムダだ、とでもいうように。
でも、今回、自分や他の方の感情やニーズに、ていねいに向き合う中で、その、様々な要素が微妙に折り重なって、ひしめきあっている感情を、ていねいに味わうことこそが、そして、そこからニーズを発見する、そのプロセスそのものが、今、肉体を持って生きている醍醐味だと思えてきました。
その、内面をさらけ出す微妙なやりとりをはじめ、3回を通してずっと、心から安心して、信頼してゆだねることができた、参加者のみなさんとの出会いも、なんともありがたいことだと、うれしく思っています。このような場を設けてくださったことに、心から感謝します。
ありがとうございました。(T.Iさん)
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