「NVC(非暴力/共感的コミュニケーション)」の読書会が盛んですが、難しいという声も聞きます。
そういう人は、目で読んで理解するというのが苦手だったりしません?
で、得てしてそういう人は、聞いて理解するのは得意だったり。
また、目で読んで理解していたつもりでも、耳で聞いたら、それまでスルーしていたことに「あっ」と気づいたり。
そこでご提案。
目でなく耳を通じての読書だとどんな理解や受け取り方になるかを、試してみませんか?
朗読家・野々宮卯妙が「NVC」本を朗読し、それをネタに語り合う「読書会」、そのモニターを募集します。
8/29夜と8/30午前の2チャンス。
内容は「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」より、
- 第一章「心の底から与える―非暴力コミュニケーションの核心」
- 第九章「思いやりをもって自分自身とつながる」
- 第十章「怒りをじゅうぶんに表現する」
……などから野々宮が大事だと感じる部分を取り上げる予定です。
目で読むのと耳で聞くのとでは気づくポイントが違う
私は朗読家なんぞをやっていますが、目で理解した内容と、耳で聞いて理解した内容とでは気づきが違う、というのは何度も体験しています。
たとえば、「坊っちゃん」が右利きか左利きかは、読んでるときは気づかなかったのに、聞いたときには一発でわかった、という話があります。脳の働く部位が違うのでしょうね。
耳で聞くと内容を正確に捉えやすい、らしい
10年近く前になりますが「所さんの目がテン」という番組で、小学校低学年の児童対象に、黙読/音声合成/朗読のうちどの方法がもっとも内容を理解できるか絵を描いてもらって比較する、というテストを行い、なぜか(笑)私が朗読者として出演しました。
結果は、黙読/音声合成では思い込みや勘違いが絵に現れている割合が高く、ライブ朗読を聞いた子どもたちがもっとも内容を理解していた(文章のとおりの絵を描いた)というものでした。
生身の人間が目の前で読むのですから注意を惹かれるのは当然とはいえ、教室での朗読のあいだ窓からは見物の子どもや保護者たちが顔を(出すなと言われてはいましたがw)出しており、子どもたちの集中はかなり削がれた環境だったにもかかわらず、内容を正確に理解していた、というのは注目に値すると思います。
言葉は通じなくても意味は通じる、こともある
私は「現代朗読」家で、口パクありハナモゲラ語あり、読んでいる間もじっとしておらず、言葉を明確に伝えるための努力はまったくしていませんが、「まるで映画を見ているようだった」という感想をしばしばいただきます。
(こういう朗読はパフォーマンス向けなので「読書会」ではやりませんw)
また、日本語を解さない方にも、意味はよく伝わっているようです。
(1時間ほどのライブで、外国の方が感想を伝えてくださったのですがその方が脳裏に思い巡らせた光景は、その物語の情景そのものだった、のを知ったときは鳥肌ものでした)
一語一語を理解できなくても大事なところは伝わっているのですね。
誰でもできる、からこその違いを体験
朗読は非常にハードルの低い表現手法で(笑)、誰でもできるといえばできるのです。そして、誰でもできるからこそ、それぞれでかなり違ってくるものでもあります。
通常の読書会でも参加者同士で読み合わせるなどして耳から文章を聞いていると思いますが、訓練した朗読者の朗読はめったに聞く機会はないと思うので、今回はそれを体験してもらうチャンスということになるかと思います。
ちなみに、訓練した読み手としてアナウンサーなどを思い浮かべるかもしれませんが、アナウンサー(として)の読みと朗読家の読みは似て非なるものです。アナウンサーとしての読みを清潔な工場で作られた大手メーカーのビールとすると、朗読家の読みは千差万別のクラフトビール、みたいな感じでしょうかね。
「NVC」本の読み手としての私
現代朗読家・野々宮卯妙は、実はNVCジャパン・ネットワーク事務局長係の西東万里だったりします。NVC創始者のマーシャル・ローゼンバーグの著作「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」の監訳者・安納献さんからNVCを学び始めたのが10年ほど前のこと。以来、倦まず弛まず学び続けてきました。
2012年にこの本が出たとき、「ぜんぶ献さんから聞いてきたことだわ」と一読でスルーしたことが思い出されます(笑)。真面目に通読したのはだいぶ経ってから。そんな不良読者ですが、10年間献さんの生の声を聞いてきた経験が、みなさんの役に立つかもしれません。
朗読者プロフィール:野々宮 卯妙
野々宮卯妙(ののみや・うたえ)。現代朗読家、音読療法士(ボイスセラピスト)。共感的コミュニケーション・ファシリテーター。
フリージャズや現代音楽のアーティストらと共演多数、新宿ピットイン、下北沢レディージェーン、中野スウィートレインなどに出演のほか、キッド・アイラック・アート・ホール、愛知県芸術劇場、名古屋市芸術創造センター、法然院(京都)などで公演。即興表現、初見朗読を得意とする。この数年は水城ゆうとの「沈黙の朗読×音楽瞑想」のシリーズ公演に注力。
2007年頃より共感的コミュニケーション(NVC)を学びはじめる。国内のNVCコアメンバーとして積極的に活動、2014年12月の日本初のNVC国際集中トレーニング合宿(IIT)を含む、NVCの海外認定トレーナーのほぼ全来日企画に関わる。現在、NVCジャパン・ネットワーク事務局長係を務めながら、共感的コミュニケーションのファシリテーターとして首都圏・東海・関西などで基礎講座や勉強会、コーチングや調停などのプライベートセッションをおこなうほか、現代朗読を自己そして他者との共感表現としてとらえ、「表現と共感」などのテーマで講座を開催している。
NPO法人現代朗読協会、音読療法協会所属。日本平和学会会員。
開催要項
なにせこんな読書会は初めての試み。
ここまでお話ししたものの、視覚聴覚の個性・向き不向きもあるでしょう。
まずはモニター体験を!
日時……8月29日(火)20:00〜22:30/30日(水)10:00〜12:30
会場……オンライン(zoom使用、開始10分前までに参加者にURLをお知らせします)
参加費……ドネーション(「非暴力の種をまく」10月のNVC国際集中合宿、または野々宮個人への寄付として)
お申し込み……https://goo.gl/forms/5sgkVPvFVE0TxZwn2