NVCは身体性。
NVC実践でつまづいているケースの多くが、
身体性が伴っていないためとお見受けします。
できない・難しい・わからない「と思っている」なら、
はじめてみませんか?
NVCの身体づくりにフォーカスした、
早朝集中トレーニングプログラムへのお誘いです。
なお、このトレーニングには事前学習動画はなく、最小限の解説、およびやってみての質疑応答とジャーナリングが中心となります。NVCをまったく知らない方や理論的な理解が必要な方にはお勧めできません(NVC基礎づくりへご参加ください)。
プログラム内容
朝6時15分〜7時45分の爽やかな時間帯に、NVC実践の身体性を養うマインドフルネス・トレーニングをおこない、その身体での「観察」や視点の掘り起こしをおこないます。
「基礎づくり」でおなじみの、呼吸法や身体の観察、ボディスキャンなどをじっくりおこなうほか、「ありのままをみる」ためのいくつかの練習や課題などをやりつつ、「過去のしがらみ(痛み)のない、自然な分かち合いが可能な、つながりの質」を体感する道を拓いていきます。
今回の早朝プログラムでおこなうことは、以下の3点です。
- マインドフルネス・トレーニング……呼吸と集中、全体性への気づき、ネガティブ・ケイパビリティ
- NVC理解を深める対話……事前にお渡しする「問い」について考えることを通じて、NVC意識をたがやす
- 学びの定着と習慣化……自主トレの継続と、言語化の練習(ジャーナリング)
身体と思考、双方からのアプローチでNVCの実装をめざします。
当プログラムは参加者の実践で構成しますので、同じ目的・内容で講師による講義・解説を求める方は「共感的コミュニケーション基礎づくり」をご受講ください。
【集中トレーニング連動イベントのご案内】
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NVCとマインドフルネスの出会い
「NVCはシンプルだけど、いざ実践しようとすると難しい」とは多くの人から聞く言葉です。
実際、NVCは観察・感情・ニーズ・リクエスト(それぞれの頭文字をとってOFNRと略します)の4つのステップを実行するだけ、です。
NVCは難しいと感じるなら、実践の際に、自分の身体性へ意識を向けてみましょう。
きっかけはそれだけです。
すると何が起こるか。
やってみないとわからない。
でも一人ではちょっと難しいこともあります。
気づいている「つもり」になって、実は自分を見ることから目を逸らしていることも多く起こっています。
ただ、それに気づいて改めて「自分を見つめよう」と思い立ったとしても難しいのです。自分への負荷を高めてしまっているからです。換言すれば、「がんばっている」という状態で「今ここ・ありのまま」を統合的に受け入れることは至難です。
——「がんばらない」とは(世間でもよく言うけれど)いったいどういうことでしょうか。
がんばることがダメなのではない、がんばらないことが良いことなのでもありません。がんばる・がんばらない、を超えたところの「がんばってない」なのです。
しかし、それはどうすれば可能なのか?
その鍵を、トレーナー(西東万里)はマインドフルネスに見出しています。
(ちなみに、マーシャルもNVCの参考図書にE.ジェンドリン『フォーカシング』やJ.コーンフィールド『Exploring Mindfulness: A Path With Heart』などをあげています)
「NVCは呼吸とおなじ」
ふだん私たちは、呼吸をめったに意識することがありません。
がんばることが必要なときもあるけれど、ふだんまったく気にせずがんばるなんてことすら思いもせずしている、それが呼吸です。
マインドフルネス・トレーニングは、呼吸を通じて「今ここ・ありのまま」へ気づいていくためのものです。
NVCはがんばってやるものではない、けれどもがんばらないでは難しい。そんな矛盾した壁を乗り越えるのに、マインドフルネス・トレーニングが役に立つのです。
最初はまったく別もののように見えるマインドフルネスとNVCが、それぞれをトレーニングするうちに、やがて統合されていき、「難しい、ということじゃないんだ……」というのが見えてきます。
もちろん一朝一夕ではできません。身体はショートカットができません。
今回は集中プログラムという形で、まず1週間続けて自分の身体に覚えさせ、さらに21日間の自主トレ(といっても他の人とやることをお勧めします)とジャーナリング(フォームの問いに答える)にチャレンジし、毎日の習慣として身につけていくことをめざします。
(ちなみに共感的コミュニケーション基礎づくりでは6週間かけてトレーニングをおこないます)
トレーナー(西東万里)とマインドフルネス
西東が、自分を見ることを実直に突き詰めるために実践してきたのが、マインドフルネス・トレーニングです。
パフォーマー(現代朗読家)でもある西東が自身の表現を追求していく過程で、さまざまなボディワークや武術の稽古を通じて腑落ち=身体による理解(あるいは認知、認識、自覚、気づき……)を少しずつ得ていった体験が、このプログラムのベースにはあります。
5年前にヴィパッサナー瞑想に取り組んで初めて、自分がやってきたことはまさにマインドフルネス・トレーニングだったのだと理解しました。
マインドフルネスの探求は自己満足に終わらないかと疑う方もいるかもしれません。西東の場合、その成果は自身のパフォーマンスに反映されます。つまり、観客の評価にさらされ、ごまかしようがないのです。まさに身体を張っての探求です。今もなお探求は続き、行き着く果てがない(そしてそれが喜びである)ことを自覚しています。
とはいえ、この方法論は個人の資質によるものなのか普遍性をもつものなのか、という疑問もあります。そこは、多くの人たちへの朗読指導やNVCのシェア(講座やサークルやサポート等)を通じて検証してきました。
そして、呼吸をNVC実践の入り口とすることで、万人のためのNVCを現実のものとする道をひらきました。
「できる・できない」ではなく「やるか・やらないか」。選ぶのはあなたです。
開催要項
できる限り遅刻しないようにしてください。早退はOKです。
内容・日時:以下の2本立てで、計27日間(+α)のプログラムです。
- 6回集中プログラム:2025年8月25日(月)〜8月30日(土)/6:15AM〜7:45AM
- 21日間の自主トレ&ジャーナリング(フォームへの記入)
※ 自主トレは「『マインドフル練習帳』の練習会」を活用します。毎日無料で開かれていますので、21日間以降も続けられます。
会場:zoom(受付完了後に通知)
参加費:税込 39600(税別36000)/基礎づくり修了生:25300(税別23000)円
※クレジット決済ご希望の場合は、Peatixからお申し込みください。手数料込みの金額が提示されます。
キャンセルポリシー:開催初日3日前0時〜100%申し受けます。キャンセル待ちの方が参加できた場合はキャンセル料は発生しません。
◉ 分割払いや金額のご相談に応じますので、お気軽に、まずはお問い合わせフォームよりお問い合わせください。後続の方たちの学びや基礎づくり存続をサポートする寄付等も喜んでお受けしています。
お問い合わせ:NVCジャパン・ネットワーク問い合わせ窓口
トレーナーからのメッセージ
日本のNVCとともに歩んで
西東は2007年に、現代朗読トレーニングの一環としておこなっていたアレクサンダー・テクニークの教師・安納献さん(『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』監訳者)にNVCを紹介されて学びはじめました。
2012年に翻訳書『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』(日本経済新聞社刊)が出るまでは、同好の士も日本語の資料もごく少なく、NVCという語を知る人もほとんどいない状況でした。
海外からCNVC認定トレーナーを招聘してのワークショップを開催しても人が集まらず、少しでも経費を節約するために我が家をトレーナーたちの宿泊所にしたり、ワークショップや合宿の会場にしたり、と身体を張り家族を巻き込んで、七転八倒しながらほそぼそとNVCの勉強の場を作ってきたのです。
(東日本大震災後、NVCのようなコミュニケーションが求められるようになり、「NVC」本が出版されて、ようやくNVCが少しずつ知られるようになりました。今では教える人も増え、震災前とは隔世の感がありますね!)
最初の5年ほどは、海外のトレーナーたちを招いてNVC入門ばかりやっていました。
彼らに教えられていろんなワークをやり、試し、資料ももらい、しかし人との関係性が良くなったとも思えず(そんななかでも、時折うれしいことや目から鱗の体験があったり、家族がやり始めたり仲間が増えたりしていったのでなんとか続けられたのですが)、またNVCを人に説明したり伝えたりする際の言葉や論理性に矛盾を感じることがあったりして、「NVCの理論はすばらしいのに、なぜ実践がうまくいかないのか」「同じ言葉づかいで対話しているのに、なぜうまくいくときといかないときがあるのか」という悩みがずっとついてまわっていました。
要は「身体性」なのだ
——なんとなくそう感じ、そうトレーナーも言うのですが、じゃあその身体性ってなんだ? NVCをやりこんだら身につくもの? じゃあ○年やっててできないのはなぜ? 何年必要なの?
わからないながらもトレーナーたち、たとえばJim Manske氏やJeff Brown氏の言う「savor(味わう)」、Jorge Rubio氏の「フグ」、「純粋な(感情やニーズ)」という言葉、「深呼吸して」との呼びかけ……等々、理解はできずともそうした断片的なキーワードが西東の中に積もっていきました。
やがてSarah Peyton氏のNVC×脳科学、その参考書とされたダン・シーゲル著「マインドサイト」、ポリヴェーガル理論、分離脳研究による知見、ベティ・エドワーズ「脳の右側で描け」体験、一方で西東が携わっていた音読療法や現代朗読や武術でのマインドフルネス(的な訓練)とフローの探求(ポジティブ心理学)およびパフォーマンス中のフロー体験、接心(坐禅)と公案、瞑想での走馬灯体験、非二元や中動態、スピノザやトマス・アクィナスなどなど、NVCにとどまらないさまざまな活動・体験・学習を経て、NVCの理と構造の再発見がありました。
——身体訓練、あるいはマインドフルネス・トレーニングでつちかった身体性をもってNVCの4つのステップを理解して実践すると、OFNRがひとつの流れとして起こる。それにより思考パターンが解体され、新たな(自分に負荷をかけない)神経回路が作られる。
これらは体験的にそうだと言えるもので、エビデンスとしてまとまってはいなくても、実際に起こっている・知っている人も多いことかと思います。なのになぜ難しさがあるかというと、「企む(狙う、目的とする)と再現ができない」からです。
起きる現象はすべて結果であって、狙ってはできない。最短ルートでは至らず迂回するかのようなルートをとり、一見辻褄があわないので納得しにくい、よって試みることもなかなかしない……のですが、呼吸が自律神経に及ぼす影響、人間に備わるホメオスタシス(恒常性)や動的平衡といった、ある程度自明と言ってよいと思われる生物・生理の面においても、整合性がとれていると思います。
ただ、人にお伝えするにあたっては、説明がしにくい。「やってみればわかります」という類の話になるので、やる前に効果や想定できる結果を知りたいと思う欲求には応えられません。身体トレーニングを積んできた方には、何の齟齬もなく通じることなのですが。
西東も、これまでの長年の体験の積み重ねからつかんできたことなので、何がどの理論に基づいている等を具体的に指示することができないのですが、やってみさえすればそんなに難しいことではない(なかった)、なーんだ、というようなことです。
ともあれ、考えをつきつめていくのではなく、身体を慣らしていけば自然とできるようになることです。自転車に乗れるようになれば、その後はがんばる必要なく乗っている、というような。
ここで(自転車の比喩は自己啓発系ではよく使われますが)注意してもらいたいのは「乗れたら終わりではない」ということです。自転車は日々使うからこそ、慣れて軽々と乗れるようになっていくのであって、乗らなければ乗れなくなります。NVCも同じで、練習し続ける必要があります。筋トレなのです。
筋トレも習慣化したら、やるのが嬉しい、死ぬまで続けたいトレーニングになります。そのとき、私たちは無理にがんばったりはしていません。
……言葉にすればするほど伝わらなくなる感じが否めませんので、このへんでやめましょう。
言葉をつかう意義(重要性)
もうひとつ重要な点を——今回のプログラムでは直接触れない可能性がありますので——付け加えておきます。NVCが「言葉」を用いるということについてです(マーシャル・ローゼンバーグの洞察の鋭さ、深さを感じずにはいられません!)。
NVCにおける感情やニーズの言葉は、完全に独立した「純粋な」語です。何か・誰かと紐づけません(紐づくときは別のものになります)。無論、こういう捉え方はその前にジャッジを手放せていなくては不可能なのですが、それができていてなお、言葉には内包するものがあります。それは実は当人のジャッジの集大成とも言えるのですが、言葉は思考の道具であり、その人の生きてきた軌跡の反映だということです。そして、私の全人生が投影された言葉(の質)を「純粋に」受け取り味わうことで身体性が変わるのです。
これも結果として変わるのであって、変えるのではありません。どう変わるかは、事前に予測はできません。予測不能な未来・未知に開くことができるか、その勇気が持てるか、そこにマインドフルネス・トレーニングが生きてきます。
NVCは、身体と思考がともに手を取り合うことで「わたし」を十全に生かす方法だというのが、西東の現時点での定義(のひとつ)です。
結論
やってみないとわからない。だからやってみませんか。他者にジャッジされることのない、自分で判断するトレーニングです。だから、どうぞ気楽に。
西東万里(さいとう・まり)プロフィール
CNVC認定トレーナー。NVC-Japanネットワーク事務局長係。2007年以来数十回に及ぶ海外トレーナー招聘ワークショップやIIT(NVCの国際機関CNVCの国際集中訓練)のマネージメントに携わる。また、NVC-Japanネットワークのサイト立ち上げ、共感トランプ、NVCダンスフロア日本版の製作等々、日本におけるNVCの普及とコミュニティづくりに尽力。小中学校・ロータリークラブ・病院他各種団体に招かれて講演やワークショップ、NVCを生かした子育て・教育のサポートやカウンセリング等を行う。また、全国各地のコミュニティや、市民・政治・消費者団体などからの要請に応じ、NVC勉強会を積極的にサポートしてきた。「共感と表現」をテーマとしたワークショップなど身体性とネガティブ・ケイパビリティにもとづく、独自の視点でのNVCプログラムを展開。NVC-Japanネットワーク『身体にみちびかれるNVC~基礎づくり講座』メイン講師。井上ウィマラ氏や島田啓介氏ら日本のマインドフルネスを牽引する諸氏により立ち上げられたマインドフルネス・カレッジで「非暴力コミュニケーション論」講師を務める。この数年はほぼ毎年のペースで8日間キリスト教的ヴィパッサナー瞑想合宿に参加。最近、三宝禅の接心にも参加するように。自主開催の瞑想合宿などもおこなっている。音読療法士/音読トレーナー(音読療法協会)・朗読家(現代朗読協会)。日本平和学会、韓氏意拳学会会員。
https://www.youtube.com/watch?v=S9EdxItAjDc